専門用語収録目次:脱亜鉛腐食

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脱亜鉛腐食
脱亜鉛腐食(Dezincification)は、水道設備や配管系において発生する一種の腐食現象です。この現象は、特に真鍮合金から作られた部品に影響を及ぼし、水質や環境条件によって加速されることがあります。以下で、脱亜鉛腐食について詳細に説明します。

1.脱亜鉛腐食の基本
脱亜鉛腐食は、真鍮合金中の亜鉛成分が水や水中の物質によって溶解される現象です。真鍮合金は主に銅と亜鉛で構成されており亜鉛は酸化防止や耐蝕性を向上させるために添加されています。しかし、特定の水質条件下で亜鉛成分は酸や塩素イオンなどによって水から抽出され銅が露出し腐食が進行します。
2.脱亜鉛腐食の原因
脱亜鉛腐食はいくつかの要因に影響されます。
a.水質: 特定の水質条件下で脱亜鉛腐食が発生しやすく酸性または塩素が豊富な水はこの現象を促進します。また、硬水の場合も影響を受けることがあります。
b.温度: 高温環境では脱亜鉛腐食が進行しやすくなります。
c.酸素: 酸素は脱亜鉛腐食を助長する要因であり酸素の存在下で腐食が促進されます。
d.亜鉛の含有量: 亜鉛含有量が低い真鍮合金は脱亜鉛腐食のリスクが高まります。
3.脱亜鉛腐食の影響
脱亜鉛腐食が進行すると真鍮合金の表面から亜鉛が失われ銅が露出します。これにより、次のような影響が発生します。
a.機械的強度の低下: 腐食によって材料の機械的強度が低下し部品が脆くなり、破損しやすくなります。
b.設備の劣化: 配管や弁などの水道設備が劣化しリークや破損のリスクが高まります。
c.水質悪化: 脱亜鉛腐食によって亜鉛イオンが水に放出され、水質が悪化する可能性があります。
d.設備の寿命短縮: 脱亜鉛腐食によって設備の寿命が短縮され交換や修理が必要となります。
4.脱亜鉛腐食の防止
脱亜鉛腐食を防ぐためには、以下の方法が採用されます。
a.適切な材料選定: 亜鉛含有量が適切な真鍮合金を選択し水質との適切な調和を保つ。
b.水質管理: 水質を管理し、酸性や高塩素濃度の水を使用しないようにする。硬水処理なども考慮されます。
c.適切な設計: 脱亜鉛腐食の発生リスクを最小限に抑える設計を採用し特に高温環境での対策を講じる。
d.定期的な点検: 設備の点検と保守を定期的に行い問題を早期に発見して対処する。
e.亜鉛メッキ: 一部の部品は亜鉛メッキを施すことで亜鉛の供給を保護し脱亜鉛腐食を防ぐことがあります。

脱亜鉛腐食は水道設備における重要な課題であり適切な予防策と管理が不可欠です。水質や設備の条件に合わせた対策を講じ水道設備の安全性と耐久性を確保するために努力されます。